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キャプチャボードなしで Android を OBS に配信する(2026 年版)

· 約 8 分

要点

Android ゲームを OBS に配信するのに、Elgato やキャプチャボードは要らない。USB ケーブル 1 本と scrcpy で、OBS に渡せるきれいなウィンドウが手に入る。本当に難しいのは「音」のほう — 多くの「無料でできるよ」記事はここで静かに失敗している。実際に動く 2026 年の手順を、落とし穴ごと整理する。

そもそも、なぜキャプチャボードに手が伸びるのか

コンシューマ機ストリーマーの「正解」セットアップは、HDMI 出力 → キャプチャボード → PC、という流れだ。Android で同じ形にしようとすると、USB-C → HDMI 変換 → キャプチャボード、になる。ここに何となく流れる人が多いのには理由がふたつある。

  1. メンタルモデルの引き継ぎ。すでに PS5 や Switch を配信していると、キャプチャボードは見慣れた箱だ。「同じことをスマホでも」が一番考えなくていい選択肢になる。
  2. 音の問題が見えなくなる。キャプチャボードは映像とゲーム音をまとめてエンコードしてくれるので、「音をどう乗せるか」という問題が水面下に隠れる。USB だけで配信を組もうとした瞬間、この問題が表に出てくる。

ただし落とし穴がある。USB-C → HDMI 変換アダプタは スマホから 電力を吸う側で、しかも長時間配信では HDMI 信号自体が安定しないスマホが多い。つまりこの「プロ感のある」経路は、合計 2〜3 万円かかったうえで、バッテリーは減るし、結局「自分の声をどう乗せるか」という問題は残る。

キャプチャボードなしの 3 ステップ

USB デバッグが使える Android なら何でも動く。ケーブルは普段使ってる充電ケーブルで OK。

1. USB デバッグを有効化

  1. 設定 → 端末情報を開く
  2. ビルド番号を 7 回タップして「開発者になりました」と出るまで
  3. 設定 → システム → 開発者向けオプションから USB デバッグを ON
  4. ケーブルを挿したときに出る許可ダイアログで「許可」

2. scrcpy を起動

scrcpy(Genymobile、Apache 2.0)はこの手のオープンソースの定番。USB 経由で Android の画面を PC のウィンドウに出してくれる。

# Windows (winget)
winget install Genymobile.scrcpy

# macOS
brew install scrcpy

# Linux (Debian/Ubuntu)
sudo apt install scrcpy

配信向きのオプションで起動する:

scrcpy --max-size=1920 --max-fps=60 --video-bit-rate=8M

3. OBS の Window Capture で取る

  1. OBS の ソース横の「+」 → ウィンドウキャプチャ
  2. scrcpy のウィンドウをドロップダウンから選ぶ
  3. サイズと位置を整える — これで Android 画面が OBS のソースになった

ここまでで「映像」は終わり。次が本題、ゲーム音と自分の声を乗せる話。

音 — 誰も先に教えてくれない部分

素の scrcpy はゲーム音を必ずしも運んでくれない。2026 年現在、現実的な選択肢は 3 つある。摩擦の少ない順に並べる。

選択肢 A — scrcpy のオーディオ転送(Android 11 以上)

scrcpy 2.0 から、デバイス側の音声を PC に流せるようになった。

scrcpy --audio-source=output --audio-codec=aac

注意点:

選択肢 B — Android 側で音をミックス

ゲーム自体に配信フックがあるなら(Discord 画面共有や RTMP プラグインなど)、ミックスをスマホ側で済ませて OBS は配信レイヤーとしてだけ使う、という形もとれる。動くが、レイテンシが増えるし可動部品が増える。

選択肢 C — まとめてくれるツールを使う

ここに ChargeCast がいる。手前味噌な話で恐縮だが、正直に書くと:scrcpy + 3 チャンネル・オーディオミキサー(ゲーム音・PC 音・マイク)+ ワンクリック GUI を 1 個に同梱した Windows アプリで、結果的に上の選択肢 A の音声ルーティングを丸ごとスキップできる。月 $4.99 / 買い切り $19.99(7 日間無料トライアルつき)。週に 1 回以上配信するなら時短として割に合う。月 1 回ぐらいなら、生 scrcpy で十分。

充電しながら配信できる

USB-C → HDMI ルートが地獄なのは、アダプタが電力を吸うから。USB ルートはこれが逆になる。充電ケーブルがそのままデータケーブルになるので、PC の USB 3.x ポート(5V 1A 程度で十分)に挿せば、配信中ずっとトリクル充電される。

scrcpy ベースの USB 配信は、現代のスマホで 4〜6 時間流しっぱなしでもサーマルスロットリングまで行かないことが多い。HDMI アダプタ経由ではそうはならない。

レイテンシと画質の目安

機種差・PC 差はあるが、桁の感覚としてはこのくらい:

経路スマホ画面 → OBS プレビュー遅延セットアップ費用
USB + scrcpy + OBS Window Capture30〜60 ms無料
Wi-Fi ミラーリング(Miracast / scrcpy TCP/IP)80〜200 ms(揺れる)無料
USB-C → HDMI → キャプチャボード40〜80 ms1.5〜2.5 万円
USB + GUI 同梱ツール(ChargeCast 等)30〜60 ms0〜2 千円

Twitch / YouTube 視聴者の眼は 30 ms と 60 ms を区別しない。視聴者が体感する「カクつき」の正体は、ほぼ Wi-Fi ミラーリングの遅延スパイクのほう。

それでもキャプチャボードがいい場合

USB ルートが万能ではない。次のケースはキャプチャボードの方が正解:

普段の Android ゲーム配信ではどれも当たらない。USB + scrcpy + OBS が、安くて簡単で安定している。

まとめ

音のルーティングを丸投げしたい?

ChargeCast は scrcpy と 3 チャンネル・オーディオミキサーを同梱。OBS に渡すのは Window Capture 1 枚で済む。Windows 専用、7 日間無料トライアル。

▶ Microsoft Store で ChargeCast を入手